閉塞型睡眠時無呼吸症候群と診断され、CPAP治療を始めたものの、
どうしても合わなくて、やめてしまった...
そんな人は実は少なくありません。
CPAP治療を途中でやめてしまう患者さんの割合は、
およそ10~35%といわれています。
やめてしまう理由の大半は、CPAPの装着による不快感。
CPAP装着で患者さんが感じる主な不快感
- 送り込まれる空気やマスクが気になって眠れない
- 空気で粘膜が刺激されて、鼻の奥がツーンとする
- マスクからもれる空気が目に滲みる
(関連記事 ⇒ 実はデメリットもある!?CPAP使用の注意点)
マスクをフィットするものに変えたりすることで、
ある程度はCPAPによる不快感を軽減することはできます。
しかし、それでもどうしても合わない、という人は
CPAP治療が中止され、別の治療が提示されることになります。
それが口腔内装具スリープスプリントです。
SASの歯科的治療スリープスプリント
スリープスプリントは主に軽度の閉塞型睡眠時無呼吸症候群の患者さんや
習慣的にいびきをかく人に用いられる治療です。
しかし、どうしてもCPAPが合わないという重症の閉塞型睡眠時無呼吸症候群
の患者さんにも使われることがよくあります。
スリープスプリントのメリットとデメリット
医療機関で一般的に使われているスリープスプリントは、
下あごを前進させた状態で固定し、上気道を確保するタイプです。
下あごを前進させることで、上気道の閉塞力が弱くなるので、
結果的に上気道の幅が広くなり、呼吸しやすくなります。
メリット
- CPAPに比べると安価
- 小さいので外泊するときにも便利
- 簡単に始められる
デメリット
- あごの関節や歯に違和感を感じる
- 唾液が多く出る
- 歯が少ない人は使えない
また、スリープスプリントは開口した状態では効果を発揮しないので、
装着しているときは、常に鼻呼吸しなくてはいけません。
そのため、鼻疾患などの原因で鼻呼吸が十分できない人には
装着できません。
スリープスプリントは、口の中に入れた状態で寝るので、
違和感で眠れない...という人も少なくありません。
管理人は市販のマウスピースを試したことがありますが、
10分程度でギブアップしてしまいました...。
(参考記事 ⇒ マウスピースは苦しかった!私が試したいびき防止グッズ(その4))
しかし、CPAP治療にどうしてもなじめないというSASの患者さんは、
スリープスプリント治療も検討してみてはいかがでしょうか。