睡眠時無呼吸症候群(SAS)治療の第一選択肢がCPAP。
もっとも効果の高い治療法です。
特に一刻も早い治療が必要な中等症以上の患者さんには
CPAPが必ず提示されます。
これから使わないといけない人、すでに使い始めた人、
そんな人に向けてQ&Aを作ってみました。
CPAP(continuous positive airway pressure)とは、持続陽圧呼吸療法
のことで、その治療に使われる機器のこともCPAPと呼ばれています。
持続陽圧呼吸療法とは、機器から鼻マスクに空気を送り、
息を吸ったときも吐いたときも一定の気道内圧を保つことで、
空気圧によって上気道が狭くならないようにするものです。
目的は2つあります。
ひとつは睡眠中の覚醒を抑え、熟睡できるようにするため。
もうひとつは無呼吸による低酸素血症をなくすためです。
マスク装着による不快感、空気漏れによる目への刺激、
鼻腔内や口腔内の乾燥、開口による空気漏れなどのデメリットがあります。
空気の刺激によって結膜炎に罹ったり、マスク装着による皮膚への刺激で
炎症や湿疹、潰瘍を作ってしまう場合もあります。
しかし、CPAP機器に加湿器をセットしたり、鼻だけでなく口まで覆うマスク
を使うなど、様々な対策で改善が可能です。
まず最初に、SASかどうかを入院検査で調べるポリソムノグラフィ検査の費用が
保険適用で15,000~30,000円(医療機関によって差があります。)掛かります。
そして、月に一回の通院と機器のレンタル料を含めて月5,000円程度が掛かります。
CPAP治療は即効性があるので、始めたその日から効果が表れます。
日中の強い眠気、起床時の頭痛、夜間頻尿などの症状は大幅に改善されます。
また、SASの合併症の高血圧などは数週間~数ヶ月で改善します。
CPAP治療は対症療法なので、SASは治りません。
一生涯続ける必要があります。
海外の通販サイトから個人輸入で購入が可能ですが、
国内では未承認医療機器の扱いになるので、販売や譲渡はできません。
(関連記事 ⇒ CPAPを購入したい!販売店や価格は?)
CPAP治療を続けていると、気道に開くくせがつき、粘膜の腫れも引いてきます。
また、鼻呼吸にも慣れてくるので、短期間なら装着しなくても
無呼吸にならない場合がよくあります。
空気圧の設定値が合っていないため十分に気道が開いていない、
マスクが合っていないために空気が漏れている、などの原因が考えられます。
口腔内装具スリープスプリントによる治療と外科手術があります。
(関連記事 ⇒ SASのもうひとつの治療、スリープスプリントとは?)
スリープスプリントは特殊なマウスピースで、装着して就寝することで
上気道を確保して呼吸しやすくするものです。
外科手術はLAUPなど様々な方法がありますが、必ず治る保証はなく、
食べ物が飲み込みにくくなるなどの後遺症のリスクもあるので、
手術を選択する人は少ないようです。