飲酒がいびきの原因のひとつであるだけでなく、
さらに悪化させてしまうということは、以前の記事で書きました。
(以前の記事 ⇒ 飲みすぎに注意!アルコールはいびきを悪化させる)
もう、予想はつくと思いますが、アルコールの摂取はいびきだけでなく、
睡眠時無呼吸症候群(SAS)にも大敵なんです。
睡眠時無呼吸症候群とアルコールの関係
お酒を飲むと上気道の筋肉が弛緩してしまい、
気道が塞がれやすくなります。
そして、アルコール分解のために、いつもよりたくさんの酸素が
必要になり、口呼吸を助長してしまう、ということで、
いびき悪化と同じメカニズムなのですが...
睡眠時無呼吸症候群の患者さんが飲酒した場合、
気道閉塞に伴って、無呼吸の回数が増えてしまうんです。
また、普段なら無呼吸状態になると、無意識に覚醒しますが、
酔っていると中枢神経が鈍くなるため、無呼吸状態になっても
覚醒しなくなってしまいます。
そのため、低酸素状態がより一層悪化し、
合併症の発症リスクが高まってしまいます。
(関連記事 ⇒ 見逃せない閉塞型睡眠時無呼吸症候群(OSAS)のシグナル )
低酸素血症と高炭酸ガス血症
低酸素血症
肺でのガス交換が十分にできず、
酸素が十分に体内に行き渡っていない状態です。
高炭酸ガス血症
酸素濃度の低下に伴い、血中の二酸化酸素濃度が
非常に高くなった状態です。
重症の睡眠時無呼吸症候群の患者さんは、
常にこの二つの状態になっていると考えられていますが、
そんな重症の人がアルコールを摂取すれば、
さらに酸素の取り込みと二酸化炭素の排出が低下して、
低酸素血症と高炭酸ガス血症が悪化してしまいます。
重症の睡眠時無呼吸症候群の人がお酒を飲むと、
アルコールとSASのダブルの効果で、脳の血管が拡張されるため、
翌朝にはひどい二日酔いに見舞われることが多いんです。
お酒を飲んだ翌朝、二日酔いでやたらと頭痛がひどい...
という人は、SASを疑ってみましょう。