かつては肥満、高脂血症、糖尿病と合併することで、
「死の四重奏」と呼ばれていた高血圧。
(現在はメタボリックシンドロームと呼称)
れっきとした生活習慣病です。
その高血圧は睡眠時無呼吸症候群(SAS)の合併症のひとつで、
閉塞型睡眠時無呼吸症候群(OSAS)の患者さんの
約50%が高血圧を発症するという報告があります。
逆に高血圧を治療している患者さんの約50%が
閉塞型睡眠時無呼吸症候群を発症していたという報告も。
睡眠時無呼吸症候群から高血圧になるのはなぜ?
睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に呼吸と無呼吸を繰り返します。
その中で、血圧が上昇するのは無呼吸が終わった直後。
つまり、呼吸が再開されたときに血圧が急上昇するんです。
毎回の再開時に血圧がググッと上がるため、脳や心臓に
大きな負担がかかってしまいます。
閉塞型睡眠時無呼吸症候群で血圧が上昇する原因
- 酸素が欠乏することによる覚醒
- 自律神経の活動が高まることで分泌されるストレスホルモン
- 心臓が一時的に血液を早く送る
などが考えられていますが、はっきりとは分かっていません。
閉塞型睡眠時無呼吸症候群は昼間も高血圧になる?
まだ、メカニズムは解明されていませんが、
昼間も高血圧になります。
仮説では、無呼吸による酸素欠乏によって何度も覚醒(無自覚も含む)し、
そのために交感神経が刺激され、活動しっぱなしになるからではないか
といわれています。
通常、睡眠中は休息モードの副交感神経に切り替わっていますが、
呼吸による覚醒によって、自律神経のバランスが崩れてしまい、
活動モードの交感神経が働いてしまうわけです。
そして長期間、交感神経に刺激が与えられ続けることで、
動脈にも変調を来たし、日中も高血圧になってしまうと
考えられています。