蓄膿症や鼻中隔湾曲症、アレルギー性鼻炎、扁桃やアデノイド肥大などが原因で
いびきをかいている場合は、それらの手術もいびきの手術と言えます。
しかし、通常はいびきの手術というと、
LAUP(口蓋垂軟口蓋形成術)のことを指します。
LAUPとは、いびきのほか、中等症までの閉塞型睡眠時無呼吸症候群
(OSAS)に適応されるレーザー手術のことです。
この手術は口蓋垂と軟口蓋の一部を切除して気道を広げ、
空気の出入りを正常化し、同時に粘膜の振動を抑えることが目的です。
もうひとつ、UPPP(口蓋垂軟口蓋咽頭形成術)という切除範囲が広い手術がありますが、
こちらは中等症以上のOSASに対する手術で、最近はあまり行われていないようです。
LAUPは主にレーザー設備のある耳鼻咽喉科で行われていますが、
一部の美容外科でも行われています。
一般の病院で保険適用が可能な症状なら、費用は3万~4万円、
切除範囲が少なければ、日帰り手術も可能です。
(関連記事 ⇒ いびきレーザー治療のメリットとデメリット)
これでいびきをかかなくなる...と思ったら大間違いだった
LAUPはを受ければ上気道が広くなり、空気の通りがよくなるので、
呼吸による空気の流れが遅くなり、いびきは改善されるはずです。
ところが実際にはこの手術を受けてもいびきが改善されない、
または、一旦は治まったもののまた再発した、という人が結構いるんです。
手術したのに改善されないのはなぜなのか?
そもそもLAUPが適応していなかった
いびきはレーザー手術でサクッと治ると思い込んでいる人がいますが、
LAUPに適応しているかどうかは、専門医に診断してもらわないと分からないので、
いきなり美容外科などで手術を受けても改善されない可能性があります。
ほかにも上気道狭窄の原因があった
この手術で、振動して音が出やすい口蓋垂と軟口蓋の一部を切るので、
振動する粘膜は少なくなりますが、そもそも原因がこれだけとは限りません。
LAUPに適応していたとしても、いびきの原因がほかにもある場合は、
複数の原因のうちのひとつを取り除いたに過ぎません。
また、いびきの原因のうち最多と思われるのが、低舌位による舌根沈下です。
普段から舌の位置が悪いため、睡眠中に舌の根がのどに落ち込み気道を狭窄します。
(関連記事 ⇒ 爆音が鳴り響く!大音量のいびきの原因は舌根沈下かもしれない!?)
切除した組織が再生した
術後、半年~1年くらいでいびきが再発した人というはこれかもしれません。
自然治癒力によって切除した組織が再生し、いびきが復活したと考えられます。
アレルギー性鼻炎のレーザー手術もそうですが、
いびきのレーザー手術も根治治療ではありません。
仮に一旦治まったとしても、組織は徐々に再生するので、
年々、手術の有効率が下がっていくことになります。
また、LAUPには飲み物が鼻に逆流するなどの後遺症のリスクや
効果の不確実性によって、OSAS治療においても第一選択肢にはなっていません。
LAUPを検討している方は勝手に治療法を決めず、
まずは病院で診断を受け、自分に有効かどうかを見極めてからにしましょう。